「うちの名物は長寿だんご。モチモチしとって美味しいって、皆さん何度も食べに来てくれるんやわー」。郡上市和良町にある『道の駅和良』で『ちんちろ屋』を営む大澤淑恵さんは、今日もニコニコと愛嬌たっぷりの笑顔でお客様を迎えます。
『長寿だんご』とは、豆腐をベースにして作った田楽のような形のお団子。この場所に直売所を開いて野菜や特産品を販売し始めた平成14年に、大澤さんが「和良の新しい名物を作りたい」と考案したオリジナル商品です。
絹豆腐に白玉粉を混ぜて団子にし、焼いて特産のアガリクスを隠し味に入れた自家製のタレを絡ませます。もっちりと柔らかいのに歯にくっつかない独特の食感と、コクのある甘い醤油ダレの味わいが評判を呼び、この味を求めてたくさんのリピーターが訪れています。
「大澤さんまた来たよ、元気?」「よう来てくれたな、ありがとね」。お団子をほお張りながら大澤さんと世間話を楽しむ、そんな光景に思わず心が和みます。

大澤さんと一緒に働くのは、地元に暮らす元気な主婦の皆さん。平成14年にグループで和良生産加工組合を立ち上げ、平成20年には法人化。商品の生産加工と販売所の運営を、全員で協力して行っています。
長寿だんごの他にも商品のラインアップは豊富。和良のお米で麹を作り、醤油を加えて発酵させた『もろみみそ』、郡上産の香り豊かなゆずを使ったご飯のおかず『ゆずおくん』と『ゆずみちゃん』、山椒やうこんなどの原料を乾燥させて旨みや成分を凝縮させた『粉物シリーズ』など、全部で何と80種類。
「みんなで意見やアイデアを出し合いながら、お客さんに喜んでもらえる商品を一生懸命作っとるんやよ。うちのチームは本当にいいなぁ。自慢のメンバーやね」と大澤さん。かぶや赤たつなどの地元野菜を丁寧に仕込む漬け物や、夏季の土日限定で店に並べる朴葉寿司など、大澤さん独自のレシピで手作りする季節の味も大変な人気です。
「ほんとに美味しいもんで、お客さんができるのを待っとってくれるんや。料理は手や愛情をかけると美味しくなるでね」と、茶目っけたっぷりにほほ笑みます。

大澤さんは郡上市八幡町生まれ。和良に嫁いできて50年が経ちます。 「和良は水や空気がきれいやし、野菜もお米も美味しいの。男性の平均寿命と和良川の鮎は日本一になったこともあるんやよ※。道の駅の奥には『蛇穴』っていう露がポタポタと落ちる鍾乳洞があるし、戸隠神社にある『重ね岩』は手で揺すると動くのに地震でも落ちなかったという不思議な岩なの」。
和良への愛着やおもてなしの気持ちは人一倍。その人柄に惹かれ、わざわざ大澤さんに会いに来るという方が多いのもうなずけます。平成24年からは、観光客に地元の魅力を発信する『郡上旅先案内人』としても活躍中。
「春になれば桜が咲くし、山つつじもきれいやね。夏はいい風が吹くで、気持ちがいいよ。ここは私にとって大事なふるさと。和良で生きてこられて、本当にいい人生やね。皆さんも長生きできるように『長寿だんご』をぜひ食べに来てほしいね」。
大澤さんと言葉を交わすだけで、朗らかな笑顔を見るだけで、あなたもきっと心から元気になれるはずです。
- 男性の平均寿命日本一は平成12年/利き鮎会グランプリを平成14年・21年に受賞














